低温・乾燥で悪化するアトピー性皮膚炎に [2013年1月号]
寒い季節を迎えています。この時期には日本列島は全く乾燥してしまいます。その度
合いは年々強まっています。この低湿、乾燥の時期に悪化する病気の一つにアトピー性
皮膚炎があります。
低湿や乾燥などの要因で皮膚常在菌などの働きが悪くなり、角質が露出してドライ
スキンとなり、アレルゲンが皮内に侵入しやすくなってアトピー性皮膚炎になりやすく
なったり、悪化したりするからです。
アトピー性皮膚炎を悪化させないためにはまず室内の湿度を上げたり、保湿剤を
使って皮膚の乾燥を押さえる事が大切です。しかし、意外に知られていないのは、免疫
力の低下を押さえる事への配慮です。
実はアトピー性皮膚炎の発症にはIgEという抗体を中心とした免疫反応が関与して
います。バランスの悪い食事を摂っていたり、ストレスの多い生活を送っていると、アト
ピー性皮膚炎が悪化するのは、それらのことで免疫反応が低下するからです。
日本では、この半世紀の間に油脂の摂取量が3倍に増えました。しかし、体によい多
価不飽和脂肪酸の摂取量が相対的に減少し、アレルギー反応を悪化させる飽和脂肪酸
や多価脂肪酸に水素添加したトランス脂肪酸の摂取量が増えているのです。
免疫を高める食品として野菜や果物が知られていますが、日本人の野菜摂取量は10
年前と比べて18.4%果物類の摂取量は22.0%と、それぞれ大きく減少しています。アト
ピー性皮膚炎の悪化を防ぐためには乾燥に対する処置の他に体によい油を選んで摂
取し、野菜や果物を多く摂るよう努める事が必要です。
パン酵母グルコポリサッカライドは免疫を高める物質であることが知られています。
実際、パン酵母グルコポリサッカライドを摂取しているとアレルギー反応が軽減したと
いう臨床報告もあります。この乾燥した時期にアトピー性皮膚炎を悪化させないように
パン酵母グルコポリサッカライドを積極的に飲み続けて欲しいと思います。
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